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絵画/油絵/油彩画作品の販売コーナー>>油彩画作家 馬渡裕子の紹介

  作家が無意識の中から紡ぎ出した愛らしくも奇妙なクリーチャー(生き物)たちは、固有の名前を与えられて、私達の心の中の物語を呼び覚まします。
  現代社会のクライシスを見るか、幼少期へのノスタルジーを見るか、魂の見取り図とするか・・・読み込む物語はそれぞれの自由。
  あなたも馬渡ワールドの住人となって、魅力的なクリーチャーを主人公にあなた自身の架空の物語を紡いでください。

作品解説

ボッシュの絵画さながらに過剰な食欲への罰か、山盛りのクリームの中にめり込んでしまった動物たち、パゾリーニの映画のワンシーンを思い出させる空中に浮遊する男、また、ダリの燃えるキリンに似て嘆息のように火炎を吐き続けながら歩き続ける熊……

馬渡裕子の作品は、特殊な感覚と魂のフィルターがなければ、現実には遭遇することのないミスティックな「何か」との出会いを画いているが、それは一方で確かにわたしたちの潜在的な生のリアリティーをも穿っていて、私達の凡庸な心を捉えて離さない魅力を持っている。

かってシュルレアリストに引用された古いテーゼ「絵画とは喚起の術、魔術的な操作である」(C.ボードレール)を思い出させる作品である。

ただし、それは無意識の闇に潜む「何か」かも知れないなどと深読みをし過ぎると、作家の予想外の素直さに出会って戸惑うばかりとなる。

彼女の作品は繊細な技術の集積にしっかり裏打ちされた良い意味でのポップさ(軽み)、深い表層も持っているのである。

その絵の造形的特徴は中心のキャラクターが単体である場合に顕著である。

たとえば「アントン」という作品の奇妙な形をした足の表現を含むマニエリスティックな形態のおもしろさ。

微妙なしぐさが時間を静止させ、両義的な謎をなげかける表現は、彼女が好きだというバルチュスの絵から会得したものだろうか。

しかし、形態と空間のリズミカルな使い方はもっと日本的なもの、むしろ桃山時代に頂点を持つ襖絵の世界を思い起こさせる。

イメージ的な絵画が流行する中、古風なまでに物静かでイコノグラフィカルな、そして私達が生きる日常世界への巧まざるユーモアとクリティックを含んだ彼女の作品はますます蠱惑的である。

馬渡 裕子(まわたり ゆうこ)略歴

  • 1976
    仙台市生まれ
  • 1998
    東北生活文化大学卒業
    グループ展(仙台/週間アート)
  • 2000
    グループ展(盛岡/ギャラリーLa vie)
  • 2001
    個展「World end」(仙台/Cafe Matisse)
  • 2002
    二人展「カズン展」(仙台/ギャラリーARATA)
  • 2004
    個展「Dummy」(仙台/Glamorous Area)
    個展「メランコリック・キングダム」(仙台/Cafe Matisse)
  • 2005
    個展「Dummy」(銀座/Gallery銀座フォレスト)
  • 2006
    個展「惑星」(日本橋/gallery unseal)
    個展「デ・スティル・コーフィー カレンダー原画展」(仙台/DE STIJL KOFFIE / Glamorous Area)
  • 2008
    個展「terminal」(仙台/カフェマティス)
  • 2008.4/25〜4/30
    仙台市の東北工業大学ギャラリーにて馬渡裕子個展「架空の伝記-Eponyms-」
  • 2008
    個展「小作品展」(仙台日仏協会/アリアンスフランセーズ)

  • 馬渡裕子作家への1問1答
    一番好きな作家は誰ですか?

     その時々で変わりますが、バルテュスとフランシス・ベーコンは好きです。

    馬渡裕子作家への1問1答
    どんなとき、どこから絵のインスピレーションを得ますか?

     どこかへ行く途中に見た物や、何となく目した単語など、目と心の両方を、瞬間的にひきつけられるものから得ることが多いです。